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kanom-35°                                                                                               ご来訪、誠にありがとうございます。
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元来怠け者わたくし、日々の通勤にさえ骨が折れる。
近頃、激しくも静かな惰の魔が私に降り注ぎ、今朝は起きられなかった。
身体が重く熱っぽい。

頑張って準備さえすれば、行けるはず。

しかし、今日は怠惰な自分を賞賛し年休消化に貢献することにした(笑)。
有給休暇を使うことに以前はすごく抵抗があったんだけど、いつの間にか惰の魔がそんな感情を
消してしまった。
困ったもんである。

いくら楽観者のアタシとて、少しの躊躇もなく「ま、いいっか。」と思ってしまうのは薄ら寒い。
怠惰熱に魘されて布団を被ったら、頑張り屋さんのある友人のことを思い出した。

6年前、37歳の若さで亡くなった友人のことである。
以前に、弧愁庵人さんのところでもちょこっと書いたことがあったかな。
私の2度目の転職先で同僚だった人でした。

愛に殉ずると書いて「殉愛(ジュンアイ)」というのが彼女の名前。
女優の真行寺君枝さん似の美しい女性でした。(清楚な雰囲気は皆無だったけど・笑)

韓国籍で日本に育ち、それだけでありがちな虐めにあい、グレて18歳で結婚。
二児を授かったけれどDVで離婚。

シングルマザーとして働き、ご縁があって再婚。(彼女に会ったのはこの頃)

共働きで頑張って新築のマイホームを手に入れて、招待してくれたこともあったけ。
その時の彼女はとても幸せそうだった。
少し歳は離れているけれど、優しそうで頼り甲斐のあるご主人が、血の繋がりのない子どもを慈しみ、
家族4人できゃっきゃと楽しむ様子は、アテられっぱなしだった。。。のだけど。。。

やがてご主人は外に女の人が出来て、帰宅しなくなった。
相手の女性からも、さまざまな嫌がらせを受けたそうである。

この頃私は、とっくにこの会社を退社し、元旦那さんとも別居して名古屋へ出たので詳細は知る由もなく
全て後で聞いた話なんだけど。

紆余曲折もあったけど、ご主人は殉愛の元に戻って来たそうである。
全てを清算して、「もう一度やり直したい」そう言ったそうである。

その直後にご主人は交通事故に遭いました。

即死だそうな。


そんなことが起こってるとは露ほども知らなかった私は、彼女の落胆と悲しみの度合いさえも知らなかった。
随分辛い思いをしただろうに、、、とそれだけは想像出来るのだけど、
しかし彼女は強かった。

一念発起、女手一つで会社を立ち上げたのだ。
何かを忘れるためには、何かに夢中になることが一番の方法なのかもしれないけど、ご主人の死後は
狂ったように働いたそうである。
マイホームを職場とし、子供達にも仕事の手伝いをさせ、家事をさせ、母子3人で頑張っていました。

そんな彼女に病魔が襲いました。

癌である。

そう診断された時が、早期なのか中期なのか末期なのかはわからない。
入院治療が必要なのにもかかわらず、彼女はまた日常へ戻って行き、働きました。
薬の服用と抗癌剤の投与で、フラフラになりながらも。

年を越し、仕事始めの景気付けに、仲間内で新年会を催した時に、彼女は倒れた。
2次会先のカラオケ店で、席を立った彼女がなかなか戻って来ないのを心配した娘さんが探しに行ったところ
すぐ側の階段の下で倒れている彼女を発見しました。

当時の会社の別の同僚から携帯の留守電に「殉愛さんが亡くなりました」のメッセージを受け取り、
慌ててコールバックしたところ、
「なんかね、酔って階段から落ちたみたいだよ」
なんて言葉が返ってきて、一切のいきさつを知らないアタシは、酒好きの殉愛を思い出し悲しみながら呆れてました。

「まったく。。。」

でも、通夜と葬式で聞いた事実は全く違ってた。

彼女の闘病生活は、本当に近しい者にしかその実態が伝わっていなかったらしい。
おそらく、子供には内緒にしていたのだろう。
絶対安静と言われても、彼女は聞かずに薬だけで生きていたようだ。

新年会の当日も、相当気分が悪かったようだけど、宴とか、賑やかな場が好きな彼女は見送りたくなかったのだろう。。。

気分が悪くなって部屋を出、洗面所に向かおうとした時に、くらっとなって、そのまま階段から転落したらしいです。

「ばっかやろーっ!」

癌告知をされて、すぐに徹底的な入院治療をすれば治っていたかもしれないのに。

殉愛は、自分の病気が治ると思っていたんだろうか、それとも無理だと諦めていたんだろうか。。。

殉愛との付き合いは、2年くらい。
会社の同僚としての付き合いだったけど、当時の私は彼女のことはあまり好きではなかった。
激情型のその性格に馴染めなかったから苦手だった。

彼女にまつわる強い思い出は2つ。

◆ひとつめ

内輪で飲んでいた時、彼女がでろんでろんに酔って乱入してきて倒れこんだもんだから、

「こら、大丈夫?」

なんて、半ば面白がって抱き起こそうとした時、殉愛はアタシに抱き着きながら、思いっきり頭突きをしたのだ。
痛いのなんのって、目から☆が出た。
その時のヤツのギラギラした鋭い目は、今でも忘れない。

翌日、彼女はそのことを謝りながらもこう言ったのだ。

「うわっつらだけの言葉や付き合いって、アタシはだいっ嫌いなの!」

社会に出て数年、面倒なヤツを適当にあしらう術にも長けてきた頃のこと。
生温い態度で自分を守るズルさを、見透かされた様でそれ以来ずっと彼女のことは恐かった。


◆ふたつめ

やんごとなき事由で授かった子を諦め呆けて居た時、誰もが腫れ物を触るようにアタシに接していたけど
殉愛だけはこう言ったのだ。

「アンタ、自分を責めるんじゃないよ。それだけはするんじゃないよ!そんなことしても誰も喜ばないんだから!」

強い口調で、でも若干いつもより優しく。


今は彼女が恋しい。。。

中村中 - 友達の詩


殉愛の通夜の時、平服で駆けつけたアタシだったけど、参列者が皆喪服だったことに気圧されて
屋外で手を合わせ、そのまま帰ろうとしました。
その時、ある人から声をかけられました。

 「久しぶり、来てくれたの?」

 「久しぶりなのが、こんな場とはね。。。」

彼は殉愛と滅法親しい男性。
殉愛はどうか知らないけど、彼は彼女を愛していたと思う。

短い間だったけど、彼の口から殉愛の最後の状況を聞き、それほど親しい仲だったんだ。。。
っと納得。

おそらく彼は結婚を望んでいたかもしれない、、、ってか、そうだったのだろう。
ソレに対する殉愛の答えは、何もかも知った上での、この詩の様なのであろう。

彼女の強さは、こんなにもたおやかな大部分によって構成されてたんだと思う。

こんな関係も、なんかいい。。。
切ないけど、なんかいい。。。



さて、怠惰熱も下がったことだ。明日からまた頑張らねば。

アイツに笑われちゃう。



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無理すんな

 すごく頑張る奴と
 そこそこ頑張る奴と

 全然頑張らない奴と
 そもそも頑張る必要がない奴・・・

 色々いて世の中は成り立っている。
 
 そうさ、頑張る奴だけが尊いはずもない。


 怠惰な気分の時は寝ているのがよろし・・・
 ちゃんと明日は来る。


 
donjara 2009/08/26(Wed)21:49:56 編集
Re:無理すんな
>donjara様

コメントありがとうございます。

一人でも同調して下さったり、労って下さる方がみえると、とたんにアタシの
罪悪感は吹っ飛びます(笑)。

昨日は怠惰熱を冷ますため、徹底的に惰眠を貪りましたので、今日はすっかり元気になりました。

今日は殊勝な面持ちで出社しましたが、ハイ、誰も気にしちゃおりません。
ホント、ちゃんといつもの「明日」が来ました。

しかし、1日空けると見事に仕事は溜まっており、滅入る次第であります。。。トホホ
【2009/08/28 00:33】
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