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kanom-35°                                                                                               ご来訪、誠にありがとうございます。
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東京出張中、上司に誘われて新橋で飲んだことがありました。
アタシにも都内に住む友人は何人かいるので、たまには一緒に飲みたいと思ったのだけど、その誘いはつまり「誰」と一番会いたいか、、、という生々しい選択になってしまう。
なんとなくソレが嫌で、結局誰に連絡することもなくホテルで一人飲むことをよしとしていた時のこと。

なんだかどんどん閉じてしまう自分を持て余していたので、一緒に飲みたく無い苦手分野の上司の誘いに乗りました。

その日は、上司のプライベートな友人(高校の同級生)との飲み会で、ソコに紛れ込ませてもらったのだけど、飲み会の会場となったお店に、ちょっと感じ入りました。

そこは新橋のガード下から少し離れた雑居ビル地下の「有薫酒蔵」。
高校の寄せ書きノートがずらりと並んでいるお店です。

http://www.shinbashi-yukun.com/

ここには、地方から出て東京で働く人が、会うこともないであろう母校の先輩や後輩、そして故郷を想いながら綴ったノートがあります。

そのノートが有名になって、テレビで紹介されたこともあるとか。

その日の飲み会の幹事さんも、面白がって

 「俺達の母校のノートを探そう!」

ってことで、このお店を選んだとか。

愛知県の有名進学校のその学校のノートは、索引でほどなく見つかりました。

 「鯱(とら)ちゃんの高校だって有名なんだからあるでしょ」

なんて言葉に励まされて探してみましたが、、、無し(笑)。

上司の高校ノートは見つかったものの、記載者は2名。
 
 「今日一日で、4人増えるねぇ。。。」

なんて面白がって皆、一言を記していました。

このノートへの記載のルールは、自分の名刺を貼ること。
4枚の名刺がペタペタと貼られており、興味深く眺めておりました。

上司の同級生は、 原子力の研究会社、超有名なリース会社の船舶部門担当、そして落語家(三遊亭とん馬さん)。

中でも驚いたのが、とん馬さんの経歴。
(愛知の田舎だけど)有名高校を卒業後、上智大学へ進み語学を学ぶ。
そこで中国語・スペイン語・フランス語・英語を覚えちゃった!

そして何故か落語の道へ。

一番苦手な語学は日本語だそうである。。。奥が深い(笑)。

ひょぇ~っ、ってなモンです。

年齢も離れてるし、あたしゃそんな立派な人物でもないのにもかかわらず混ぜていただいて、想像以上に楽しませていただきました。
(苦手な上司の友人と聞いて、プチビビりだったのだけど。。。笑)

盛り上がりつつあるところで、ある人が、

 「そだ、高校ノートが無いなら、今作っちゃいなよ。」

などと勧めるのだ。

そんなこっ恥ずかしいコト出来るカっ!

 「いやだいやだ、ヤダヤダ!」

っと駄々をこねていたのに、ある方が仲居さんにわざわざ

 「新しいノートを作ってよ」

っと頼んでいるのだ。

この店で、新しい(母校)ノートを作る第一条件は、【飲んでいないこと】。

酔っ払った勢いで始めるのはご勘弁ってことらしい。

その言葉を聞いて、尚も勧めてくれた人は、

 「鯱(とら)ちゃん、まだ飲んでないもんね、グラスを三口くらいつけただけだもんね」

なんて食い下がってくれてる。。。

んっとー。。。^^;

仲居さんが、「ちょっと聞いてきます」っと引っこんだ後、女将さんが言った言葉が効いていた。

 「貴女は今、ソレを書きたいですか?誰かに本当に残したい言葉があるのですか?
  もし、今ソレがないなら、本当に書きたくなった時に、また是非お越しくださいネ。」

異論など全くナシ。
やんわりと諭されて、何が言えるだろう?

膨大な量の高校ノートをランダムに少し手に取り、パラパラめくる。

そのノートの書き出しは当時20代前半の若者。

地方から東京へ出て、社会という壁にぶち当たった戸惑いから発した言葉なのだ。。。
「辛い」なんて生々しい言葉は書かれていない。
故郷への思慕が、さりげない言葉で綴られている。

最後のしめくくりは、

 「また、頑張ります!」

そうだ、生半可な気持ちで書くノートでは無いのだ。
そして、女将さんもその気持ちを痛い程に理解しているから、諭すのだろう。

膨大な、望郷と失望の量がソコにあった。

そりゃ、書けないよ。。。
アタシなんざ書く資格は無い。
 
就職したての小娘の時代にこのお店に来ていたら、アタシは先輩に、後輩に投げる言葉はたくさんあったような気がする。
 
そして
 
 「また、頑張ります!」

そう綴ったに違いない。


案山子[さだまさし]デビュー30周年記念特別仕様盤

 
 
けど、、、今のこのご時勢だもん。
 
 これまで頑張ったんだから、たまには堂々と弱音を吐け!

そう書いてみたいね。

母校のノートにではなく、この店にある全てのノートに。


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考えすぎ!!

 >アタシにも都内に住む友人は何人かいるので、たまには一緒に飲みたいと思ったのだけど、その誘いはつまり「誰」と一番会いたいか、、、という生々しい選択になってしまう。

 一生に一度の場所でもなし…

 私なら携帯番号知っている奴に片っ端に電話してしまうが・・・・。
 友達の友達はみんな友達だぁ♪ なんて水前寺清子も歌ってたっしょ。
 案外仕事と無関係の友達をみんな求めていたりする。異業種交流にもなる。

 肩書き前提の名刺貼りよりは意義あるかもよ!!
donjara 2009/10/13(Tue)20:21:37 編集
Re:考えすぎ!!
>donjara様

コメントありがとうございます。

同性の友人は結婚して子育てに忙しくて、夜に会うことは案外難しいです。
約束を取り付けてはいても、「子供が熱を出しちゃって、、、ゴメン!」なんてこともしばしば。

んじゃ、学生時代の異性の友人は、、、っと言えば、奥様が居たり居なかったり。
結婚している身であれば、躊躇なく誘えるような気がするのだけど、これも考えすぎかなぁ(笑)。

> 肩書き前提の名刺貼りよりは意義あるかもよ!!

この店のノートに名刺貼りを義務(?)づけられるのは、書き初めの人。
2ページ目の人はそうでもないのだけど、それでも皆一様に名刺を貼ってました。
でも、これって肩書きを誇示する意味なんかじゃなくて、嘘をついていないという証のようなものだと受け取りました。

ほろ酔い加減の時に、信憑性のある思いをつらつらと書くのって、案外殿方には難しいんじゃないかな?
会社名とか肩書きなんて関係無く「母校の先輩や後輩には嘘は言ってない」って「つらつら書き」の代わりだと思いましたネ。

でも、2ページ以降にも名刺が貼られてました。
なんだか社会に生きる大多数の人の足元が、案外脆いのかなぁ。。。なんて思いました。

あは、これも考え過ぎかな?(笑)


【2009/10/15 21:59】
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