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久しぶりに友人の解体女医と会い、互いの近況を報告し合いつつ、大いに盛り上がって帰ってきました。
話題に花咲く、とはこういうモンでしょうか。
解体女医とは10年来の友人ですが、その出会いというのも「何かの因果か?」と思われるほど偶然の連続でした。
皆様にとってはあまり興味が無いかもしれませんが、まぁ、こんな出会いもあるのかと、しばしご清聴ください(いや、すっとばしてくれても問題ないです・笑)
このブログでも時折登場する解体女医というのは、法医学をやってる女医のMこと。
出会いのきっかけは12年程前。
とある歴史関連のサイトで知り合い交流をしてきました。
個人的なやりとりをするうちに、「んんん?どうも同郷っぽい。」と思い、尋ねてみたら、、、同じでした。
でもでも、三河と言っても広いからー、、、なんて思ってたのに!
学生時代にアタシがバイトしていた喫茶店の隣りの靴屋さんで、ヤツはバイトしていた。
その靴屋さんのオーナーの息子は、なんと私の同級生。
ひゃーっ!ってなもんです。
だって、World Wide Wave の、いわばバーチャル的な空間で、同郷のヤツと出逢っちゃったんだから。
その後は不思議なニアミスの連続で、母とも仲良かったあるご婦人が営んでいた小さな雑貨屋さんがあって、買いたい物が無くてもよく出入りしてたお店のお向かいが、彼女の親戚の家だったとか、お互い両親が共働きだったので、幼児保育園に預けられていたんだけど、ソコも同じで。
申し合わせたわけでも無いのに、お互いに引っ越したら名古屋の地下鉄の隣り駅だったりとか。
偶然なのかもしれないけど、その偶然も連鎖的だと『何かの縁』なんて思っちゃうよね(笑)。
さて、彼女の職業の法医学。
名取裕子さんのドラマで少し有名にもなりましたが、その具体的な仕事内容についてはまだまだ世間の認知度は低いです。
12年友達をやってても、具体的なことを聞いたのは今日が初めてでしタ。
お医者さまと言っても、二通りあります。
一つは、生者の怪我や病気を治すお医者さま。
一つは、死者の死因を探すお医者さま。
友人Mは、後者の方。
新卒で採用されて15年。
治療に携わるのでなく、ずっと死者にメスを入れてきたMは、そこいらにいる労働者と変わりはしないことは確かなんだけど、でもやっぱりそこいらに蔓延る軽薄な会社員・OLとは違う雰囲気がある。
Mが言うことにゃ、
「司法解剖を要する遺体の内、実際に検体出来るのは数パーセントなんだよね。」
とのこと。
うんうん、それはわかる。新聞でも時折言ってるもんね。
法医学に携わる医者は、ニーズに対して絶対的に少ないと言う。
(医学部を目指す人は、決して少なく無いハズなんだけど)
というのは、司法解剖の許可を受けている医師でも、年間に「何体まで」と決められているそうなのだ。
許認可医師の元で経験を積み新たに資格を得ようとすると、えぐい話だけれど「解剖件数」と師匠の推薦が要るんだってさ。
師匠の名の下で司法解剖をしながら、弟子は経験を積むわけだけど、数的な例えをすれば、、、
年間100体の司法解剖の許認可師匠の弟子が20人だとすると、頑張っても1年の内に一人5体くらいしか検体できないので、とにかく資格を得るために課せられた「解剖件数」に達するまで数年かかる。
愛知県内には、こういう司法解剖の許認可病院は4件、近隣の静岡県、岐阜県、三重県には、それぞれ1施設しかないとのこと。
そんなんじゃそりゃ育たないよねぇ、、、法医学者。
おまけに、親からは反対されるんだって。
「人の命を助け、開業医にでもなってくれたらいいと思ってたのに、それが死体を刻み、ずっと勤務医のままってどーゆーこと?」
これが親の本音らしい。
「報われないなぁ、、、って思うことあるよ。命を救う医者じゃないけど検察の要請があるから、必要とされてるってことは判るんだけどね。。。でもね、忌み嫌われるんだよぉ(爆)。」
なるほどねぇ。
15年前、彼女が新卒で入った頃の司法解剖件数は、せいぜい年間10体だったそうな。(当時も許認可病院は4件)
けれど、去年は急増して年間63体、今年はさらに増えて、年度末まであと3ヶ月を残すのに、既に86体を越えているそうです。
「先週なんて、1日で3体運ばれてきちゃって、ほんっとに疲れたよ。こんなの初めてだよ!」
世相かなぁ。
事件性のある遺体の急増なんて、生々しくって痛くて辛くて聞いちゃいられない。
「身体の一部しか無くても、開腹したら蛆だらけとか、もうそんなことにはもうすっかり慣れたけど、もちろん気持ちは塞ぐよ。」
彼女に、どんなケースが一番塞ぐのかと問うたところ
「小さい子供だよ。。。」
っと本当に辛そうに言った。
あー、だめだ。
アタシなんかは1ヶ月も2ヶ月も引きずってしまいそうだ。
極めて重要な職業なんだけれど、本当は無い方がいい。
友人Mが忙しくなるような世などいけない。
彼女は数年に一度、どかんと大型連休をもらって、ふらっと海外を旅することがある。
今年は旧ユーゴを訪れ、コソボ、セルビア、モンテネグロを周ったそうな。
旧ソ連の侵攻、独立紛争、、、はるか昔のことかと錯覚するほど、どの国も美しい町並みだったという。
「よく見ると、壁に弾痕とかも見つかるんだけどね、何の知識もなく観光目的だけで行くなら、凄く綺麗だから堪能できるよ。」
何の知識もなく観光目的だけで行くなら
普通はそうだよっ!!
彼女は不思議な人で、通常は訪れないような国に行きたがる。
前回はイランだった。その前はペルー。
彼女がこれまでに巡った国を考えると、どこも混沌としている。
そんな場所へわざわざ行って、癒され新たな活力を見出してくる。
観光目的ではない彼女の旅の目的を思ったら、なんだかぎゅっと抱きしめたくなった。
そりゃアンタが日常的に目にするものは、辛くて苦しいよね。。。
なんて少し潤みそうになった時、ヤツが言った。
「ところでさ、豊スタの浦和戦の時に、レックリとコラボのポスター作ったでしょ。あのかっこいいヤツ。
なんで負けるかなっ!!あれさ、曹操が負けるハズじゃん。孫権が負けてどうすんのよっ!!」
んぐぐぐぐぐ
確かにアレは、常勝で6万人のサポーターが大声援を送る日本を代表するビッグクラブに、万年中位のサポも少ない(2万人)しがないチームが戦いを挑むってコンセプトで、コラボしたのだ。
そりゃ、赤壁で孫権が負けたらシャレにならん・・・。
くっそー、変なとこで思い出すなってーの。
この話に限らず、なんだかアタシがグランパスに入ってから、アタシ以上に詳しくなっちゃってるもんだから驚いちゃう。
オタク恐るべし!!(因みにコイツはアニメオタで、熱狂的なベンゲルファン)
ま、久しぶりに会ってお互いに黙る場面など一瞬たりともなく(笑)、お喋りし通しだったのだけど、
彼女、少し痩せたかな?ちょっと顔色が悪いな、食欲無さそうだな、、、ってことが少々気になりました。
彼女はこんな形で多忙でないほうがいい。
患者さんの臨床検査や研究に没頭できる環境がいい。
Flashdance - Lady, Lady, Lady (Joe Esposito) 1983
友人のMは、その苦悩をこちらが汲み取ろうとする態度を認めたとたんに、ヒラヒラと掴みどころの無い者へと変化する。
「触れるな!」
という強い言葉を、柔らかな笑いと優しい態度で表すみたいに。
うん、アンタには言葉は要らないだろう。
発することなき声を、ずっと聞き続けているんだから。
その患者さんの心の声を聞く姿勢が大切だと思う
生きてる人の心の声に耳を傾ける事も
もう話す事のできない人の心の声を拾う事も
どちらもほんとうに難しいことですよね
そのお友達の彼女が
人の死因を解明する法医学を目指した理由・・・
これを知りたいかなぁ~とチョット思いました
関係ない話でごめんネ
コメントありがとうございます。
心の声、、、そうですね、それはお医者様だけでなく、人間たる者、誰もが聴く(聴ける)耳を持たなければいけませんね。
>そのお友達の彼女が 人の死因を解明する法医学を目指した理由・・・ これを知りたいかなぁ~とチョット思いました 関係ない話でごめんネ
いえいえ、謝ることなどございません(笑)。
この友人はバブルがはじけた頃に就職難という壁にぶち当たった、いわゆる「ロストジェネレーション」の君です。
間もなく大学卒業って時期になっても就職先は見つからず、見かねた教授が紹介してくれた病院の部署が、たまたま「法医学」だっただけのことらしいです。
崇高なる志は無かったみたい(笑)。
学生時代のうちに、自分の夢とか理想を持てる人は、それはそれは素晴らしいけれど、多くは就職してから「自分に合ったもの」を見つけるケースが多いです。
見つけられ無い場合は、そのまま惰性です(笑)。
友人も、たまたま紹介されたのが「法医学」だったと笑いますが、今尚続けているのは、自分に合っていて、ニーズに応えなくては、、、という使命感があるように思えます。
この先は、ちょっとデリケート過ぎて聞けませんガ。。。
かく言う私自身も、たまたま新卒で入った会社で経理部に配属されたことで、ずっと経理・財務畑でやってます。
友人の彼女も私も、たまたま与えられた職種が合っていただけで、最初はのほほん気分で、、、そして、月日を経て「なんか、合ってるみたい」などと感じ、ちょっと変えなくちゃイケないよね、、、。
そういうことをようやく感じ入るようになりました。
すみません、友人のMが法医学を目指した理由は、「たまたま選考で受かって配属されただけ」というものですが、
惰性で生きてきたツケを、ヤツも私も今更ながら感じておる次第です。。。(涙)
就職と云うのは、たまたまの縁が多く、必ずしも、自身の志と違う道に行く場合もあるのか…、と思いました。
しかし、進んだ道で精一杯やれない限り、他へ行っても、ダメなのでしょう…。
まあ~、私も今の道を、後5年ほどやるだけやろうと思ってはいます…。
コメントありがとうございます。
たまたまの縁っていうのも、案外悪く無いかもしれません。
学生時代に確固がる目標を持ってその理想の道に進んでも、折れる人は折れます。
たまたま与えられた業務、これが理想とかけ離れていても、未知なる分野だけにこなすうちに面白くなってきたり、追求したくなることもあります。
エントリー内の友人も、私自身もそう言えるかもしれません。
>進んだ道で精一杯やれない限り、他へ行っても、ダメなのでしょう…。
本当にそうだと思います。
人間関係で悩んで逃げるように転職しても、そこで解決できなかったことは必ず持ち越されます(笑)。
ちょっと触発された感じです。
この件で、いずれエントリー挙げたいと思います。
恥ずかしながら、私の場合職業選択の基準は「金」それのみ!!!
実は今日まで数日下田の温泉につかっていたのだよ。
そういうことができるのは今の職業を選んだから、この職に就けるように努力したから、なんだけど・・・・。
精いっぱいの仕事をしているかといえば、年末の忙しい時期に温泉につかっているのだから・・・・。
人になんと言われようともう頑張らないと決めたのだ。
来春勤務先の私のポジションは廃止になることが決まり!!また転勤になりそうだ。
コメントありがとうございます。
>恥ずかしながら、私の場合職業選択の基準は「金」それのみ!!!
正直でいいじゃないですか~。
だって、私だって今と同じ仕事内容で、今よりも多い報酬を提示されたら、懲りずにホイホイ転職するかもしんない(笑)。
んー、でも、今は鯱を応援したいし、もう養母を心配させたくないので金銭だけの冒険はしようと思いませんけどね(もう若くないし)。
私は根っからの怠け者で努力なんてものは嫌いですが、興味を持ったことにはとことん追求します。それを人は「努力」と言うのかもしれませんが、好きな分野を追求する分には、労苦など感じません。
>精いっぱいの仕事をしているかといえば、年末の忙しい時期に温泉につかっているのだから・・・・。
これは、大人の余裕ですよ、うん。
精一杯の力を出さずとも、仕事を回していけるってことです。
それは誰にでも出来るってことではなくて、donjara様だから回るってこと。
>人になんと言われようともう頑張らないと決めたのだ。
私はもう少し頑張る必要がありますが、一刻も早くこの宣言をしたいですっ!!
次、何処でしょうね?
名古屋だとしたら、味噌づくしで歓待いたしますですよ。うっしっし。
少しは否定してくれると思ったのになぁ
あざとすぎて読まれたな
年齢にふさわしいポジションのないおじさん達には、居場所は少ないのよ。
50代の自殺者が多い原因を、経済のみで語られることが多いけれど、
年功序列が崩れて、成果主義の世の中になって、自分が築き上げてきたものが否定されることが多くなった。
無役のオヤジが下手に頑張ったりすると、煩がられるだけだったりする。
つむじのない奴がつむじを曲げる理由も、そこから遠くない所にあるのかと、勝手に想像している。
過去ではなく、今の自分をどのようにイメージできるか。問題はそれだけなんだが。
こんな事を書くといよいよ無いつむじが曲がるか?怒ってくれれば大丈夫かな。
コメントありがとうございます。
>少しは否定してくれると思ったのになぁ
>あざとすぎて読まれたな
あ、あれぇ~、そんなつもりは無いですよー。
ただ、男女雇用均等法なるものが制定されて25年経っても、均等感を味わったことなど無く(笑)、異動、転勤となる殿方を、大変だなぁ、、、と見守りながらも、女はそういう対象にすらならないですもん。その意味するところさえ知ら無いながら、少し羨ましく思います。
そういう舞台に立ったことさえ無い者からすれば。。。
もし私が、「大分さんや岐阜さんに出向せよ!」なんて言われたら、こりゃー世間では捨て駒だと思われるだろうけど、アタシは俄然張り切っちゃう。
>年齢にふさわしいポジションのないおじさん達には、居場所は少ないのよ。
年功序列礼賛!
バブル期にはしゃいで「実力主義」が持て囃されたけれど、やっぱり日本の良いところは、こういうシステムがあったことだと思います。
その恩恵に預かったことの無い若者が牙を剥くのかもしれません。。。
しかーし、哀しいおじさん達に、厳しい目を向ける者ばかりではありませんよ。優しい視線を注ぐ人も居るはずー。
その人が鯱ファンだったりしたら、怒らないでやってくださいましー(笑)。
あ、いまさら「つむじ」の曲がり具合を危惧しても遅、、、
ぴゅ~っ(脱兎)!
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