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kanom-35°                                                                                               ご来訪、誠にありがとうございます。
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5月16日豊田スタジアムで鹿島戦が行われた日、久しぶりに実家に帰り、養父の書棚を開き、何か面白い本はないものかと物色していたら、私が小学校4年生の頃のノートが出てきました。
教育委員会推奨の規定の、「生活記録」という担任と生徒との交換日記みたいなもの。
生徒は毎日1ページを埋め、その感想を担任が記します。
ページの端には「あなたの夢は何ですか?」「大好きな友達は誰ですか?」「尊敬する人は誰ですか?」など、ノートに印刷された毎日違う問いがありました。

思わぬところで30年前の自分を見つけて、懐かしいやらこっ恥ずかしいやら。。。(笑)
パラパラと読みながら、「尊敬する人」と題した記録がありました。
そこに挙げられていたのが、「澤田美喜」さん。

澤田美喜さんは、あの三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎氏の孫娘に当たる方で、外交官で後に初代国連大使となる澤田廉三氏と結婚。
海外を転々とする生活の中で、キリスト教のカソリックに傾倒していきました。

戦後日本に帰国しますが、ある日、列車の網棚から風呂敷包みが膝の上に落ちてきて、包みを開けてみると混血の嬰児の亡骸でした。

米兵と日本人女性の間に生まれた子供は、当時凄まじい差別を受けたそうです。
米兵に身体を売る女性もいたでしょう、陵辱を受けた女性もいたでしょう。
わが子を育てられないほどの世間の目に晒され、混血児達は密かに殺されたり捨てられたりしていました。
こういう事実を知り、澤田さんは私財を投じて「エリザベス・サンダース・ホーム」という孤児院を設立しました。

昔のドキュメンタリー番組を見た後の、とっさの思いつきのような拙い感想みたいなもので、澤田美喜さんなんて名前は永く忘れていたのですが、うーん、今になってこの日記を見つけたのは、何かあるのかなぁ。
どうしても訪れたくなり、6月10日東京の御茶ノ水に用があって出かけたのを機に、その翌日神奈川県の大磯まで行ってきました。

大磯駅の目の前に、「聖ステパノ学園」があります。
ここの門をくぐって、右にはサンダース・ホーム、左の石階段を上った先に、澤田美喜記念館があります。
ステパノというのは、澤田さんのご子息、晃さんのクリスチャンネーム。大戦で戦死されたそうです。

sawada.gif借り物の画像で恐縮です。
随分古い写真なのか、実際はもっと深い緑の森です。
白いこの三角形の建造物は、ノアの箱舟をイメージしたものだそうで、1階は生前澤田さんが収集した、隠れ切支丹の遺品(800点あまり)で埋め尽くされ、2階はチャペルになっています。
このチャペルは、毎週日曜日に、サンダース・ホームの子供達が礼拝のために使っているそうです。

小さくて清潔で簡素な、とても可愛らしいチャペルでした。
左の窓を覗くと大磯のビーチ、正面の窓からは椿の大木。
この記念館への石段を上って来るときにも気が付いたけど、椿の木がたくさんありました。
澤田さんが大好きな花だったそうです。冬は圧巻かもしれません。

3ecc32fa882dc2ecffe608c90b654371.jpgこのチャペルはいいな。簡素で素晴らしい。

カソリック系の教会には、磔刑のキリスト像が教会の中心にありがちだけど、私はそれを好まない。
人類の贖罪のために磔刑となったイエス、罪を忘れてはならないという思想なのだろうけど、イエスは蘇ったのだ。
死せるイエスではなく、蘇ったイエスを感じるべきだよ、うん。


この日の午後訪れたのは、私一人。ま、平日だもんね。
お陰で、管理人さんからマンツーマンで解説していただきました。

1階の記念館に入ると、左手に古文書の数々。
切支丹を弾圧していた当時の、住民台帳のようなもの。
何処の誰が、何処の寺の檀家になっているかを、克明に記しているそうです。
その横には、弾圧ゆえに改宗した外国人宣教師の改宗を記したものだそうです。

「遠藤周作さんの『沈黙』に登場するフェレイラ神父なんて人もいましたね。」

そう言ったところ、

「そう、その人の手によるものですよ。」

だって。
本当かなぁ~。

数々の品がありました。
ロザリオ、聖餐式の道具、仏像や掛け軸にしるした十字架やIHS(イエス)の文字。
刀の鍔に施した十字架・大黒様の背負った袋に隠された十字架。
どれも、密やかな信仰を表象するように、小ぶりで細かいもの。

大友宗麟の遺品や、細川ガラシャ夫人の縁の品まであって、歴史の事実を思い知ったというか、なんとも言えない感慨に耽ってしまいました。

一番痛ましく感じたのは、やっぱり数々の「踏み絵」だった。
管理人さんのご好意で、日本で始めての踏み絵の原版を見せていただきました。
踏み絵のはじめは版画で、イエスを抱くマリアの像を写した版画を踏ませていたそうです。
ボロボロの木製の原版を見て、それほど切支丹が多かったのだと驚き、それほどまで信仰にすがる当時の「時代」というものを考えながら、痛ましくも思うけれど怒りも覚えました。

これって偶像崇拝に過ぎないってこと。
なぜイエズス会は、それに気づかなかったのかってこと。

聖書にはこう書かれています。

The God who made the world and everything in it is the Lord of heaven and earth and does not  live in temples built by hands. And he is not served by human hands, as if he needed anything, because he himself gives all men life and breath and everything else.
                                                                                                   ACTS 17:24-25


この世界とその中にあるすべてのものをお造りになった神は、天地の主ですから、手でこしらえた宮などにはお住みになりません。また、何かに不自由なことでもあるかのように、人の手によって仕えられる必要はありません。神は、すべての人に、命と息と万物とをお与えになった方だからです。
                                     使途 17章24-25節


 

宣教師達は言うべきだったんだ。
踏み絵になどに、神は宿っていないと。
神は見えざるもので、ただ己の心のみで感じるものだと。。。

隠れ切支丹の膨大な遺品を見ながら、この一つ一つが、人の命そのものだと解し、なんともやるせない気持ちになりました。

何かを、誰かを慕うこと、それは外側に向かって広げる思いであり、物に託すものでは無いんじゃないかな。
 
記念館の片隅に置かれていた、ホームの子供達による澤田美喜さんの肖像画が目に留まりました。
伸びやかなタッチで、明るく優しく描かれた女性。
嗚呼、愛され慕われたんだなぁと、平安を感じる絵でした。
誰からも抱きしめてもらえず、誰からもキスしてもらえない子供達を、抱きしめキスした女性は、こんな言葉を残してスペインのマジョルカ島で永眠したそうです。


「私の旅……それは、この子どもたちのために、誰からも何も言われない国、いやな見つめる目のない国、そして、大手を振って歩ける国を求めて歩く……これが私の旅になりました」

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無題
やっぱり、アワビは悪くないと言うか、素敵だね。
うん・・・いいね。


あの・・・大磯の手前に平塚という駅があるの・・気がつきました??
NONAME 2010/06/14(Mon)20:55:44 編集
Re:無題
>kappa様

コメントありがとうございます。

WCでJが中断してなかったら、平塚で試合でも見られたのになぁ。
ケロロも。。。

平塚駅にベルのでっかい広告看板がありまして、思わず「じぃ」っと見ちゃいましたよ。^^
【2010/06/14 22:42】
ケロロなんかいいけどさ
あのぉ・・・
平塚のずっと手前にある
桜木町という駅を
スッ飛ばしたの気がつきましたぁ??

今度は是非ご連絡を~
美女ふたり
たまには酒盛りでもしましょう(笑)

それはそ~と
身体の具合大丈夫ですか?
無理しちゃダメよ

何事もほどほどに
いい加減にネ♪




ぱーるぴあす 2010/06/16(Wed)19:01:33 編集
Re:ケロロなんかいいけどさ
>ぱーるぴあす様

コメントありがとうございます。

>ケロロなんかいいけどさ

って、、、緑と青の人に怒られちゃいますよ!(笑)

>たまには酒盛りでもしましょう(笑)

うっれしいな~(抱き抱き)

来月も東京に行きますが日帰りなので、その次は9月かなぁ。
ええ、是非酒盛りしましょう!
あ、わたくし図々しいので、ホントに連絡しちゃいますよ(笑)

お気遣いありがとうございます。
術後ですが、至って元気です☆
【2010/06/16 20:38】
ん?
気のせいか・・・
NONAME 2010/06/16(Wed)21:32:10 編集
Re:ん?
>NONAME様

コメントありがとうございます。

7月28日まで、寝てていいですよ。ふふふ
【2010/06/17 00:06】
さすが!!

 小学生で尊敬する人が「澤田美喜さん」?

 私の場合は「高島君」勉強ができて野球も上手いから。

 先日母の13回忌で帰省し、私の部屋だった場所をのぞいてみたら、16才~18歳時の日記帳を発見!!思わず持ち帰ってきた。

 妻にケツの穴を見られても恥ずかしくもないが、これを見られたら大変!!物置に隠した!!
 どのように処分しようかと思案中。(正直捨てきれない)
 
 あの部屋には中高生の時いつも座っていたロッキングチェアがそのままあった。
 あそこでいつも本を読んだり、音楽を聴いたり。
 
 今はそんな余裕なし。
 事務机の肘掛けさえなし。
donjara 2010/06/19(Sat)11:26:20 編集
Re:さすが!!
>donjara様

コメントありがとうございます。

高島君って誰?!(笑)

私の場合、小学生がたまたまドキュメンタリー番組を見て触発されただけのことです。
本当に永らく忘れていたのがその証拠。

それより、中高生の部屋にロッキングチェアがあるってことの方が驚き!
その頃、愛知の田舎では、そんな単語さえ解せぬ人が大半だったと思うなぁ。

肛門を見られるより恥ずかしい昔の日記、、、奥様はきっと、とっくに物置のソレを見つけているよ。きっと。なんとなくそう思うなぁ~、くふふ。

あ、うちの会社で肘掛椅子に座ってるヤツ、出世願望しかないつまらん輩です。
肘掛、無くてよーし。^^


【2010/06/20 11:31】
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