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◆ピカピカに晴れた先日の日曜日、久しぶりに気分も不思議と晴れやかで、朝早くに目が覚めました。うだうだすることなく跳ね起きて、布団を干し、洗濯をし、掃除をし、取り込んだままになってた洗濯物を畳んで片付け終えたところで電話が鳴りました。受話器から養母の元気そうな声。「もう2ヶ月も姉さんのとこに行ってないから、見舞いがてら午後にでも寄ろうと思うけど、居る?」とのこと。養母は5人姉妹の3番目で、長女・四女・五女はもう他界し、認知症で名古屋市内に入院している、存命のすぐ上の姉を見舞いたいとのこと。「いいよ、別に。出掛ける用事もないし。」と応え、少しばかり会話をして電話を切りました。名古屋市内で開催される反原発のデモも気になったんだけど、話をしながらカレンダーを見たら、その日は「母の日」だったので。絶対に狙ってる!と確信(笑)。どうせ泊まっていくだろうからと、押入れにしまってあった布団も干しました。午前11時前。洗濯物はもう乾きそうで、早くに干した布団は既にふかふかでお日様の香りがしました。部屋も片付けたことだし、文句は言われずにすみそうで、久しぶりに気持ちのいい朝でした。午後3時過ぎ、養母到着。早々にマシンガントーク炸裂(^^;)。荷を降ろし上着を脱ぐ時に手渡されたのが「赤いカーネーション」。曰く「ホスピスの隣の部屋に見舞いに来た人が持ってきたらしいんだけど、『花瓶が無いから貰ってください』って言われたんだよね。」だってさ。全くこれ見よがしだなぁ!目を合わさずに言うところが怪しい(笑)。
◆野口米次郎・三木露風・千家元麿・日夏耿之介、前田河廣一郎・藤森成吉・徳永直・村山知義 これらの人をご存知でしょうか。私は「三木露風」さんが、童謡『赤とんぼ』の作詞者であること以外、全く知りませんでした。目の前に2冊の書籍があります。筑摩書房から刊行された『現代日本文学全集』です。前掲の4名の作品集(詩篇)が刊行されたのは昭和31年12月(73巻)、後掲の4名の作品集(プロレタリア文学)は32年7月(77巻)。最終巻が78だったと思います。明治初期~昭和初期までの文豪の作品の大全集で、実はこれ、44年前、31歳で亡くなった私のもう一人の母(実母)が、OL時代に通勤電車の中で読んでいたそうな。全巻読破したそうな。実母以外は誰も手にしなかったようで、本を買えば必ず間に挟んである新刊本の案内(広告)のようなものや、参百伍拾円也と記載された納品書までそのまま残っておりました。中学生の頃、読書を試みたのですが、旧漢字(という表現は正しいのだろうか)・旧仮名・文語体で手に負えず、ずっと放ったらかしにしておいたところ、養母が「図書館に寄贈するか、引き取ってもらえなかったら捨てるしかないねぇ。」と言ったことから、捨てるかどうかはまず読んでみてからにしようと思いました。2冊ともパラパラと頁を繰っていると、暗い沈鬱な空気が漂っており、作品が書かれた時代というものが身近に感じられました。渾身の叡智と良心でもって書かれているような迫力。高校卒業後、18歳から、30歳で結婚し退職するまで、貴女はこういう本(日本文学報国会なるものに名を連ねない作家さんの作品)を読んでいたのですね。。。感想を聞きたかった、思いを共有したかった。貴女の口から、戦争・労働・ジェンダーについて聞いてみたかった。とりわけ、戦争体験もし、中部電力(話題沸騰中!)に長く勤めていた貴女に、核について、原子力の安全利用の是非について聞きたかった。読書好きな貴女に「この字なんて読むの?」たずねたずねながら、重く暗い時代を描写した文学と対面したかった。そう気づいた時、初めて『悔しい』と思いました。。。
◆翌日、養母が帰る段になり、ずっと考えていたことを思い切って言ってみた。「お母さん、あのさぁ、Fさん(実母の名)の年忌が全部終わったらさ、うん、全部終わったらさぁ、アレを今回の震災の被災者の人たちにね、寄付したいと思ってるんだけど、どうかな。。。」ずっと管理してくれてたのは養母である。何を言われるかと恐る恐る訊ねたのだけど、返ってきた言葉は実にあっけらかんとしておりました。「いいよ、それで。どうせ残す者も居ないんだし、お前は売れないだろうし、好きにすればいいよ。」驚きました、全部わかってる。心底ほっとして自然に笑みが浮かんだのだろう。それを目ざとく見つけた養母は、「ちょっと待った!アンタ自分より、わしの方がどうせ先に死ぬって思ってるんだねっ!ふんっ!わしがアンタから相続してやるわ!」だってさ!もう大笑い。大笑いしながら、人通りの多い交差点で、後ろから思いっきり抱きつきたくなった。ありがと@母の日。
◆余談◆
かつて『吟遊詩人』なる、世相とか政治を謳う人々がおりました。フランスではトルバドゥール、ドイツではゴリアール、日本では琵琶法師かな。現在で言うなら(無理矢理だけど)ストリートミュージシャンに置き換えられるのかな。。。
辺見庸さんは、昨今の詩作から、吟遊詩人になろうとしてるのではなかろうか。。。
存在の独立
野口米次郎
『新しい詩は私をもつて始まらねばならない、』
かう私がいつたら人は私を許すでせうか・・・・・・
許さなくてどうしませう。
毎朝咲く朝顔を御覧なさい、どの朝顔でも、朝顔の美は自分をもつて始まるといふ誇りに輝いてゐるではありませんか。
太陽の下どんな物でも、神の輿へた魂を赤裸にさらけ出して、
(赤裸の場合位ものの完全な場合は無いであらう)
自分と大きな自然との対照を慎ましやかに表現した時、
本当に生命の新しい一章に筆が附け始まります。
詩の上ばかりでなく、人生の上でも、
『新しい人間は私をもつて始まらねばならない、』
私はかういひたいのですよ。
私自身としましても、昨日の私は今日の私ではありません。
毎朝太陽に私の眼が覚め、私の耳が鳥の声を迎へる時、
昨日と違つた人生の秘密が私にほぐれてくるやうに感じます、
(あなたが秘密の文字がお嫌いなら、人生の意味と云ひませう、)
私はまるで異なつた人間となつて新しい命を始めます、
さうあつて初めて独立的な存在の意味が確立するだらうと思ひます。
『新しい詩は私をもつて始まらねばならない、』
私がかういつたとて、他人の努力を無視するのではありません。
他人は他人で、『新しい詩は私をもつて始まる』といって下すつて、
始めて私の言葉に真実の意味が出て来るだらうと信じます。
驚く。
明治から昭和初期の知識人は皆、信ずる信ぜざる如何にかかわらず、聖書を精読していたのではないかと感じます。
15 All this is for your benefit, so that the grace that is reaching more and more people may cause thanksgiving to overflow to the glory of God. 16 Therefore we do not lose heart. Though outwardly we are wasting away, yet inwardly we are being renewed day by day. 17 For our light and momentary troubles are achieving for us an eternal glory that far outweighs them all. 18 So we fix our eyes not on what is seen, but on what is unseen, since what is seen is temporary, but what is unseen is eternal.
2 Corinthians 4 : 15-18
15すべての事はあなたがたのためであり、それは、恵みがますます多くの人を通して増し加わり、感謝にあふれさせて、神の栄光となるためだからです。 16 こういうわけで、わたしたちは落胆しません.それどころか、わたしたちの外なる人が朽ちていっても、わたしたちの内なる人は、日ごとに新しくされていきます。 17 なぜなら、わたしたちの受けるつかの間の軽い患難は、ますます卓越した永遠の重い栄光を、わたしたちにもたらすからです. 18 わたしたちは見えるものにではなく、見えないものに目をとめます。なぜなら、見えるものは一時的ですが、見えないものは永遠であるからです。
コリント人への手紙第2 4 章15-18節
カタロニアでは「平和を!」と鳴いていた鳥が、日本では「安全を!」と鳴いているね。
中部電力株ですな。
御忠告ですが、寄付するのはやめときなさい。
お母さんがあなたの将来を考えて残してくれたのでしょう?
自分の法事のために残したものではないはず。
一人余生を生きていくためには、金はあればあるだけよし。
将来金がなければ、施設にはいることもできぬ。おしめも取り替えて貰えない。
寄付は毎月の給料の中で負担にならない額をすれば良し。
地震も原発事故も何時自分の身に降り掛からんとも限りませんぞ!!
それだけではありません。日本中で毎日多くの人が、交通事故に遭い、突然病魔に襲われ、犯罪の被害者になっています。
スマイルズでしたっけ。自分を冷静に俯瞰し、自制することも必要です。
最後に一言。白馬の王子はババアを助けには来ません!!
コメントありがとうございます。
老後を考えるようになるのは、何時ごろからなんでしょうね?
まだまだ若いつもりでおりますので、全く考えていないのですが(笑)、35歳を過ぎてからは1年がとても早く感じますので、気がついたら80歳になっているかもしれません(そんなに生きたくないですけど)。
>最後に一言。白馬の王子はババアを助けには来ません!!
じゃっかーしぃわっ!白馬の王子なんて求めたこともないし、居ると思ったこともありませんよーだ。
ところで、殿方も女性の白馬の王子になろうとするのでしょうか?donjara様は奥方様の白馬の王子に成り得たと自信がおありですか?ふっふっふー
鯱美さん自身が白馬の王子になろうとしているのかと思ったのですよ。
私は弱い人間ですから、妻と二人で世の中の片隅に身を潜めるのみです。
冗談が過ぎましたが、気を悪くしないでください。事実心配になったのですよ。(老婆心ですな)
若い頃、親に貰ったものはそのまま子に残せと言われたものです。
我々は子供がいないのですから、死んだ後世の中に残せばいいのじゃないですかと思います。
確かに「老後」というには長い時間です。色々大小、波が来ますよ。きっと。
コメントありがとうございます。
>冗談が過ぎましたが、気を悪くしないでください。
らしくもない、気持ち悪いからよしてください(笑)。
確かに死んだ後世の中に残せばいいのかもしれません。
けれど一番有用な時に使いたいとも思うのです。
数年後、ひょっとしたら電力会社は解体され、独占していた事業が自由化されるかもしんない(淡い期待)。
誰か一人でも、疎開児を受け入れたり、両親を失った子供を養子に迎えられる器量があればと思うのだけど、本当に力の無さを痛感しています。
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