「ぞう列車」をご存知ですか？

1946年3月17日、名古屋の東山動物園が日本中で話題となりました。

戦禍を逃れたエルドーとマカニ。2頭の象のお話です。

戦時下において、日本中の動物園で辛い処置をとらざるを得ませんでした。
上野動物園における「かわいそうな象」の話は、今尚語り継がれる有名な話。
平和への願いに繋がる話です。

何故動物達が殺されたのか、、、浅はかながら、私は食糧の事情だと思っていました。
それだけじゃなかったのですね。。。
動物園が爆撃され、もしも猛獣を拘束する檻が破壊されたらどうなるのか、、、。
満足にエサを与えられない猛獣が市井に飛び出したら、どうなるのか。。。

戒厳令がしかれる状況、、、でも「もしかしたら」の仮定の段階。
その最悪な仮定を畏れて、人は大自然の中で暮らす猛獣を、無理やり大自然から引き剥がして
娯楽として見世物に使ったくせに、今度は殺し始めました。

日本中の動物園の飼育員たちは、泣く泣く動物に毒入りのエサを与え、食べない動物には銃口を向けました。
従順な動物達は、餓死しました。

終戦がおとずれ、まだ敗戦の傷跡が色濃く残る日本においても、娯楽を求める声は小さくなかったようです。

「動物園の大きな象が見たい！」

上野動物園の象は死んでしまいまいました。
上野だけではありません、日本中の動物園で大型動物は残っていないと思われていました。

けれど、終戦間もない名古屋の東山動物園には2頭の象が、飼育員に守られて生存していました。
その事実が新聞で報じられると、世論は大騒ぎとなり。。。

東京台東区の中学生で構成された「台東区子ども議会」代表、中学１年のＯ君とＨさんが５月５日、名古屋の東山動物園を訪れました。二人はまず、名古屋市の「子ども議会」に出席し、その後塚本名古屋市長と北王東山動物園園長に「象を１頭貸して下さい」と陳情しました。

東山動物園のエルドーとマカニは高齢の姉妹。
台東区の子供達の要望に応えたくとも、仲のいい象の姉妹は、一時でも離せばフェンスに体当たりし、大声をあげ
落ち着き無く歩き暴れました。。。
この事態をみた園長や市の関係者が、「貸し出しは無理」と判断し台東区代表の子供達に伝えたところ、
Hさんはその場で崩れて号泣し、報道するメディアでさえも見ていられない状況だったそうです。

「象が見たい」

そんな子供たちの望みに応えるため、名古屋は考えました。

「象を貸し出し出来ないなら、招待すればいい！」

こうして、東海道本線の彦根～名古屋間に子供達や学校の教師達を乗せた「象列車」の第１便が、日帰りで運転されました。
名古屋に到着した子供達は、貸切の市電で東山公園電停まで行き、黄色い衣装を着た２頭の象・「エルドー」と「マカニ」と対面したそうです。この時は名古屋の子供達との交歓会も開かれ、東京の子供達からは象に赤い腹巻きが贈られ、お返しに名古屋の子供達からは「瀬戸物」の小さな象がプレゼントされました。

その後「象列車」は、三重、京都、大阪、滋賀、埼玉、千葉、神奈川、石川、福井からの各府県からも運転され、　「総勢一万人以上」の子供達が、２頭の象「エルドー」と「マカニ」に会いに来るために、名古屋を訪れたのです。詳細は不明ですが、この「象列車」は近鉄でも運転され、上本町～近鉄名古屋間（伊勢中川連絡）を走ったそうです。

また「台東区子ども議会」は、参議院に「象輸入懇請」の請願書を提出しました。
これを受けたインドのネール首相（当時）は、日本の子供達に１頭の像をプレゼントする約束をし、
そして、その象には首相の愛娘である「インディラ」の名前を付けることも告げられました。
こうして９月２５日、象の「インディラ」は上野動物園に到着しました。
その後昭和２５年、国鉄では当時最大の有蓋貨車・ワキ１型を改造して「移動動物園」にして、４月２８日から９月３０日までの間、北海道・東日本の１７都市を巡回し、大歓迎を受けました。

「象列車」、、、多くの子供達に愛された、東山動物園の２頭の象「エルドー」と「マカニ」は１９６３年（昭和３８年）の秋にこの世を去りました。

「ぞう列車」思い出いつまでも　松阪・天白小６年、冊子製作







今は清水に移籍しちゃったヨンセン。
初めて鯱さんチームの会報誌を飾ったこの写真。
名古屋の東山動物園でのショット。
にこやかに笑っているんだけども、聞けば動物園は嫌いみたい。

野生動物を人工飼育するなんて、「不自然」なんだってさ。

ご名答。
まったく同じ意見。

えっと、もしもだよ、この時に戦争とやらが勃発しちゃったら、60年前と同じ様に、動物は殺されるのかな？？？

きっとそうだよね。

ははは、まったく進歩してないよね。。。