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愛国心とは、実に不思議な言葉だと思う。字面だけを見ると、そこにはなんら否定的な意味を見出せない。
もともと、「愛国心」の国は、故郷だったのではないだろうか。
故郷を離れ都会に出た者が、生まれ育った小さなコミュニティーを懐かしく回想した言葉だったハズではないのだろうか。
それとも、ずっと以前から、民族中心主義的で、血縁的、排他的な意味合いを帯びていたのだろうか。

だとしたら、「愛」なんて文字を使って欲しくない。

折に触れて訪れる、熱心でストイックなキリスト教徒さんのブログで、某カソリック教会の神父が、毎年8月15日の終戦の日に、信者や友人に靖国参拝を呼びかけて参拝するという愚行を繰り返していると知り、肝を潰した。
この日、8月15日は聖母マリアが他界した、被昇天の日とされている。カソリック教徒にとっては正に「特別な日」で、しかも日曜日ときてるから、日曜礼拝と共に、被昇天の日のための特別礼拝が行うべきところを、神父自らが靖国参拝を呼びかけるなど、この神父の頭ン中は狂気の者のソレと同じと言ってもいいだろう。

イエスの教義は本来一つであるべきで、すなわちその聖典は最も古い聖書のみだと思っていて、中でも、一番大切なのは、福音書や、弟子達の書簡の中に書かれている、イエスの言葉だと思ってる。
そこから分派したしたものなど、伝統あるカソリックであろうが、時代に阿るようにはびこったプロテスタントであろうが、全て虚偽だと思う。

だから、私にとっては、聖母マリアの被昇天の日など信じない。そもそも聖母マリアの神秘性や教義など、聖書の何処にも書かれていないのだから。
私にとっては、カソリック系の教会の荘厳な建造物や、キリスト像、マリア像、絵画は、ただ芸術として鑑賞するのみで、そこに信仰が発露することはない。

しかし、実際にカソリックという分派は歴史的に永く存在していて、私が信仰しているものと比較しても仕方ないけれど、その者は、カソリック教会の神父なのだ。
なぜ、マリアを拝む者が、その記念日に靖国に行くのだ!

ブログを紹介するのは控えますが、その熱心でストイックなキリスト教徒さんが言う、

靖国神社の戦争史に対する理解のあり方は横へ置くにしても、国家神道の神主が儀式を執り行い、宗教法人である靖国神社の拝殿で、御霊(みたま)に向かっての参拝をキリスト教の信徒が集団で為すという考えは理解できない。十戒(※)に抵触しないわけがなく、信徒にとって「御霊(みたま)」とは聖霊(Holy Spirit)以外には存在しない。彼らはキリスト教そのものだけでなく、「カトリック」に限定してもその理解に初歩的な認識の誤りがあまりに多い。彼や彼らの行動、考えには賛成できない。

この意見に賛成する。

イエスは言う。

汝の敵を愛せよ。
汝の隣人を愛せよ。
右の頬を打たれたら、左の頬を差し出せ。
謙虚な子供のようであれ。
他人の罪を赦せ。

過激な右側の人々によって国粋主義の権化と化した「靖国」を、なぜイエスの言葉を知っているハズのキリスト教徒が参拝するのか。

小説家曽根綾子氏も、三浦朱門氏も、毎年靖国参拝している。
山谷えり子氏、麻生太郎氏も、日本基督教団の石破茂氏も皆一応キリスト教徒なのだ。
なぜこんなに簡単に、教義を歪めることが出来るのだろう。
「愛国心」とは要するに、非常に強い攻撃性を伴う排他的思想なのにもかかわらず。

著名人はこんなふうに言っている。

サミュエル・ジョンソン(イギリス人文学者)
 「愛国心とは、ならず者達の最後の避難所である」

バートランド・ラッセル(哲学者、ノーベル文学賞受賞)
 「愛国心とは喜んで人を殺し、つまらぬことのために死ぬことだ」

そして、私にとって一番効いたのはこれ。

ジミ・ヘンドリックス(ロックギタリスト) 
 「愛国心を持つなら地球に持て。魂を国家に管理させるな。」 

本来なら、宗教家は誰をも恐れず、間違った教義と思想を修正しなくてはならない役割で、政府や日本の世俗的な風潮に靡くべきではない。
人々の寄る辺たる宗教家も教義から離れてしまった。

そりゃ、政治も社会も末期になるわいな。。。


※十戒

モーゼの十戒

一、我は汝の神ヤーウェ、汝をエジプトから導いたもの、我の外何ものも神とするなかれ
二、汝自らのために偶像を作って拝み仕えるなかれ
三、汝の神ヤーウェの名をみだりに唱えるなかれ
四、安息日をおぼえてこれを聖くせよ
五、汝の父母を敬え
六、汝殺すなかれ
七、汝姦淫するなかれ
八、汝盗むなかれ
九、汝隣人に対して偽りの証をするなかれ
十、汝隣人の家に欲を出すなかれ

 

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